昨今、若手社員の離職について「突然辞めてしまった」「特に問題はなかったはず」という声を企業の現場で耳にすることがあります。実際に、退職の意思が表明されるタイミングは突然のように感じられることも少なくありません。
一方で、若手社員の側から話を聞いてみると、退職という決断に至るまでには、いくつかの段階があることも見えてきます。最初から「辞めたい」と強く思っているわけではなく、小さな違和感や迷いが積み重なる中で、徐々に気持ちが変化していくケースも多いのです。
今回は、若手社員が「辞めたい」と思う前の段階で、どのようなことを感じ、何を考えているのか。その背景にある心理について整理していきます。
— 若手社員は、いつから退職を意識し始めるのでしょうか?
多くの場合、「辞めたい」という強い感情から始まるわけではありません。むしろ最初に生まれるのは、はっきりと言葉にできない違和感です。
例えば、次のような感覚があります。
・この仕事の進め方で合っているのか分からない
・自分は成長できているのだろうか
・今の環境が自分に合っているのか判断できない
こうした疑問は、すぐに問題になるわけではありません。しかし、日々の業務の中で少しずつ積み重なっていきます。
— その違和感は、社内で共有されるのでしょうか?
必ずしもそうとは限りません。多くの若手社員は、この段階では誰かに相談しているわけではありません。
理由はいくつかあります。
・まだ問題だと断言できる状態ではない
・自分の考えが整理できていない
・相談するほどのことではないと感じている
そのため、違和感は共有されないまま、本人の中に残り続けることがあります。
— 違和感が続くと、どのような変化が生まれるのでしょうか?
時間が経つにつれて、若手社員の中で少しずつ思考が変化していくことがあります。
例えば、
・他の会社ではどのような働き方をしているのか調べる
・同世代のキャリアを気にするようになる
・自分の将来について考える時間が増える
この段階でも、必ずしも退職を決めているわけではありません。ただ、「今のままで良いのだろうか」という問いが少しずつ大きくなっていきます。
— 退職を考える前に必要なことは何でしょうか?
若手社員の多くは、最初から環境を変えたいと思っているわけではありません。
むしろ、
・自分の状況を整理する時間
・現在の状態を客観的に振り返る機会
・誰かと話しながら考えを言語化する機会
こうした機会があることで、自分の違和感を早い段階で整理することができます。
— なぜそのような機会が重要なのでしょうか?
若手社員が感じている違和感は、必ずしも環境そのものが原因とは限りません。
例えば、
・自分の期待とのズレ
・成長の実感が持てないこと
・将来への不安
こうした要素が重なっている場合もあります。
そのため、誰かと対話しながら整理することで、違和感の正体が見えてくることもあります。
— 若手社員の変化に気づくために
株式会社シンボールが提供する「トッキ」は、若手社員の状態を継続的に把握し、対話につなげる仕組みとして設計されています。
トッキでは、
・毎月のエンゲージメントサーベイによる状況確認
・若手社員の状態変化の可視化
・1on1のテーマ整理
・定期的な振り返りの機会の提供
といった取り組みを通じて、若手社員の小さな変化を見逃さない仕組みを提供しています。
— 最後に
若手社員が退職を考えるとき、その背景には突然生まれた不満があるわけではありません。多くの場合は、小さな違和感や迷いが時間をかけて積み重なった結果として、退職という選択が生まれます。
だからこそ企業にとって重要なのは、退職という結果に対応することではなく、
その前にある変化に気づくことです。
若手社員が自分の状況を整理し、安心して対話できる環境があることで、違和感は大きな問題になる前に共有され、より良い対話につながっていきます。

